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はじめに

アクセシビリティの実践者・研究者といっしょにアクセスを考えるトークシリーズ**「みんなでアクセスを考える」**の紹介ページです。

われわれは生活するうえで、様々なことにアクセスしています。アクセスとは、「接近」「入手」「利用」「利用の権利」という意味があります。ときに、私たちは何かへのアクセスを妨げられることがあります。更には、妨げが一時的ではないことやアクセスする選択肢が提示されていなかったり、邪魔されたりすることすらあります。

私たち企画者は、**「XXXのアクセシビリティ」**の「XXX」に入る、さまざまな「アクセシビリティ」に関する取り組みの実践者・探求者にお話を伺うトークシリーズを企画します。

XXX=読書、ゲーム、映画、演劇、ファッション、サウナ、レストラン、宗教・信仰、子育て、学び、医療、社会保障制度、日常会話・・・(もちろん、ウェブ・インターネット、も入ります)。

様々な日常活動、社会活動、趣味を当てはめて想像してみてください。いろいろな話題がありそうだと思いませんか?

トークシリーズでは、実践者・探求者の取り組みのエピソードや学びを通じて「アクセシビリティ」に重要な要素を考えていき、その要素を整理していきます。また、トークシリーズの参加者が自分のおかれている環境でできるアクセシビリティ活動を考えるヒントを提供し、一緒に考えていきます。

vol.14は、合同会社ヨルミナ代表である坂爪真吾(さかつめしんご)さんと対話します。

夜職で働く人々は、日本で40万人以上いるとされています。しかし、その多くが「今日の不安」—金銭、住居、寂しさ、人間関係、家庭環境など、目の前の困難に直面しています。そうした不安を抱えながらも、なかなか適切な判断や行動が取れず、社会的に孤立してしまう方が少なくありません。また、社会に根強く存在する偏見や固定観念も、こうした孤立を生み出す要因となっています。家族や友人からの理解が得られず、悩みを打ち明けられない状況に置かれることも少なくありません。不安定な収入や厳しい労働環境に直面しながらも、夜職から昼職への転職を希望しても、社会的な偏見や経験の評価不足により、再就職が困難な現状もあります。

従来、NPOなどによる人的支援が行われてきましたが、年間4,000〜5,000人程度が限界であり、相談員の疲弊や長時間労働といった課題もありました。40万人のうちの1%にも届かない現状を打破するため、坂爪さんは24時間365日いつでも相談できるAIチャットボットサービスの開発に取り組みました。AI相談には、「人に言いづらいこと」を相談しやすいという利点があります。また、固定観念や偏見を持たずに回答できる強みもあります。

しかし、AIには限界や偏見があり、社会的な偏見を含む学習データに基づいている可能性があるため、チューニングが必要です。坂爪さんは、AIに依存させるのではなく、「人と繋ぐためのAI」として位置づけ、外部の専門家や支援者、窓口へ繋ぐ仕組みを作ることを目指しています。今回のイベントでは、夜職で働く人々の実態や、就労、家庭環境、福祉への接続の難しさといった背景を踏まえながら、活動の核心である「他者とのアクセシビリティ」について語り合います。特に、自分と他人の境界線が曖昧になりがちな環境において、適切な境界線を引くための手段や機会について考えます。

みなさまとともに、**「他者へのアクセシビリティ」**を考えていきたいと思います。